革に拘る
動物の皮はそのままではすぐに腐ってしまい使えません。そこで皮を革へ変える作業が必要です。
「 鞣す(なめ-す) 」という作業です。
呼んで字の如し、革を柔らかくするということですね。流れとしては塩漬けにされた原皮(これはまだ毛も付いてます)から毛や汚れなどの不純物を取り除き塩抜きします。それから鞣し剤を用いて処理し品質を定着固定させる、必要に応じて染色や加脂を行い仕上げます。
これにも種類があって革製品で使われるものには大きく分けると植物などのタンニンで鞣す方法と、クロムなどの化学物質・薬品を用いて鞣す方法とがあります。
後述の方法で作られた革は製造コストや製造にかかる日数を抑えられる、均一な品質を作ることができる、耐候性など環境変化に強いなどメリットの多い方法で、現在ではかなりの比率でこちらの方法で鞣された革が多いです。※中にはその両方でなめされる革もあります。
革榮で使用する革はもちろん植物タンニンでなめされた革です。このタンニンこそが革に自然な防腐性や耐候性を付与し、経年変化により飴色へと変色させ、艶やかで味のある美しい革へと変化させる影の主役でもあります。
ところでタンニンと言う聞きなれないモノ、皆さんにわかりやすく言うと「 渋 」さらに広義で言えば「ポリフェノール 」とも言えます。この言葉は大部分の方が耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この「 渋 」成分で皮をなめし革にするわけですが代表的なものとしてミモザ・ケブラッチョ・チェストナット・オークなど植物の樹皮や木質部から抽出されたものがあり、その為植物タンニンやベジタブルタンニンなどと呼ばれます。その他にも柿渋や栗の渋皮、さらにはワインの苦味なども実はタンニンによるものです。
それらを用いておおよそ30もの工程を経てなめされますが一番大事なのはタンニンに漬ける工程で、タンニン濃度の薄い槽から徐々に濃い槽へ数ヶ月間かけて漬けられます。このタンニン槽の種類と配合、そして時間や濃度により様々な表情の革が出来上がりますので各タンナーが独自のこだわりをもって行っている部分であり、技術の見せ所でもあります。
そんな拘りが詰まった国内タンナーの植物タンニンなめし革を革榮では使用していますので安心で高品質なこだわりの革製品、「 土に還る革製品 」が出来るわけです。